2011年6月15日水曜日

SAPA,, end of a journey.































今回の旅の目的地 サパ
ホアンリエンソン山脈中 海抜1560mの山間部に位置するそこは
50数あまりの民族を抱えるベトナム 
そのいくつかの少数民族が暮らし続けている場所でした

「魚は水に泳ぎ  鳥は空を飛び  我らは山に生きる」  広く伝わるモン族の言葉

遂に辿り着いた秘境 でもそんなイメージとは裏腹に
その地が誇る山々に 多くのホテルやゲストハウスが乱立する
そんな場所でした













































所狭しと走る観光客を乗せたバスや 大型トラック
その間を編んだ籠を背負い どことなく肩身を狭くしてかいくぐっていく
伝統衣装に身を包んだ人々

彼らが籠で運んでいたものは その多くがお土産物であった気がします
赤い布を頭に巻いたザオ族の女性が お店の前に集まる人々を見つめながら通り過ぎようとしていて






























持っていた6年前の地図の その何倍にも広がった街を見て
驚きを隠せずにはいられませんでした

どこの国かと身違うほどに観光客があふれ
そして   お土産を売る少数民族の人々

日本のクリスマスでよく見かける サンタのコスチュームに身を包んだ
コンビニやケーキ屋の店員さん

なんだかそれを見る感覚に似ているなと そう感じてしまいました
少し落胆したまま 次の日に参加する一泊二日のホームステイトレッキングツアー
それに備えて早めの就寝をとりました

次の日も起きると そこには雲海の上に浮かぶ昨日と変わらぬ街がありました
色々なツアーがあるなかで 実際にモン族の人がガイドをしてくれるものを選び

そしてそこに現れたのは 17歳のモン族の少女 クゥ でした
参加したメンバーは5人で  
サパの南 モン族が暮らすラオチャイ村へと その歩みを向けます

案内人のクゥ以外にも おばちゃんから子供まで ザオ族の人々がいつの間にかそのメンバーとなり  ともにラオチャイへと














































そして

歩いてさほど経たないうちに 目の前に見えてきた まさに絶景
今まで見ていた世界が離れていき 彼らがそこに 「導いてくれた」 ようでした
































驚いたのはそれだけではなく クゥを始め 彼らから聞こえてくるその英語にも
全員が惹きつけられていました

彼らはその英語を全て 「観光」 から学んでいて

出会う子供たちの多くが少し照れながらも 英語で声をかけてきてくれていました
休憩所で出会う人々もそう

そんな彼らは土産物を売りながらも  どこか 楽しそうで











































ラオチャイを過ぎ タヴァン村でのホームステイの家に着きました
そこは村というよりも 町に見える場所で

ホームステイというツアーによって生活スタイルが変わり始めた場所でもありました

民族学博物館で見られたようなものは 見かけることも少なく
博物館が博物館である所以を 少し痛感して

でも台所のそれは やっぱり「アジア」でした






























家々の目下に流れる川
その水は広がる雲が降らせたもので 山々から運ばれてきます
その場所からは 水がそうして姿を変えていく様を 一度に見ることができて

降った雨のうち 川に流れる水の量は世界平均で その30%らしく
川が流れるということで そこを流れる水はきれいにされていく

はずでした

「この水は山からサパを通って流れてきている  あそこにはホテルがたくさんあるから
この水はもうきれいではない」とクゥは笑いながらもそう言っていて

人が作り上げる歪みを そこの自然は顕著に現していました

次の日もトレッキングは続いて 
次々と襲ってくる 雨でぬかるんだ難所では

いつの間にかモン族の人々がその手を差し伸べてくれていました























































































そんな彼らはやっぱり最後に 土産物を売ってくるのだけれども
その値段は法外で    

でも誰も買おうとしなくても
それでもやっぱり彼らは どこか 楽しそうでした

純粋に また彼らに会いに来たい そう思えたことが
そう思わせてくれたことが    本当にすごいことだと思いました

彼らのなかに見える 自然と
それを包み込む   自然を

今でもはっきりと覚えています













































サパの各地では 岩に刻まれた 彫刻が今も残るそうです
この地の古人たちが そこに聖地を見つけて 形として残したものだと思います










































精霊信仰 アニミズム
昔は日本でも見られたこの感覚を 今感じることは少し難しい

目に見えないものを感じて そして それを信じる
日本に溢れる物々は 満足することを知らないものばかりで

自分がおじいちゃんになった時 その時は何を信じて生きているのかと
少し不安になりながらも  こういう地に住む人々に会えたことを
本当に嬉しく思えた































そんな旅でした

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