2011年6月30日木曜日

2011年6月29日水曜日

We are,,,,











































日本国政府アンコール遺跡救済チームが行なう修復作業
そしてそこで用いられている技法 『 部分解体と再構築 』

アンコール遺跡では多くの国が修復作業に取り組み
カンボジアの研究者たちもそこから多くのことを学んでいます

未だ多くの人々を惹き付けてやまないアンコール遺跡群

でもそこを訪れた人が目にする光景は






























彼らに少し残念な印象を与えているようです

日本人特有の美意識とされる  「 侘び寂び 」
その感覚からするとその光景は不自然に写るようで

でもあまり知られていないのが
それら石材の表面に生息する  “微生物”の存在

古材と新材でその色が違って見えるのは
実は無数の微生物が活動して与えてきた影響によるもの

上の写真に写る新材もこれから微生物の住処となり
何十年か後には見分けがつかなくなるほどに  その色は変化していきます


そしてJASAの修復技法 部分解体と再構築
祠堂の生きている部分はそのままに

修復が必要な部分を見極めてからその作業は行なわれます

コンクリートを使うほうが
部分解体ではなく 全解体のほうが
その修復作業は圧倒的に楽になるのかもしれません

でも

石材同士に接着剤は使わず
版築という古来の方法で基礎を作り上げる

これまで継承されてきたものを大切にしつつ



JASAが行なう修復は  寺院を護るだけでなく
その背後にある歴史や 先人たちが残してきた想いをも同時に護っているのではないでしょうか

こうして寺院はこれまで通り





























美しく老いてゆくのです

2011年6月23日木曜日

Bayon
































以前JASAが修復した バイヨン 北経蔵
そして現在修復中の  南経蔵



















2011年6月17日金曜日

2011年6月16日木曜日

Everyone regard everything as what with eyes??

そして 今こうしてシェムリアップにいます

今回の旅で もうひとつ とても印象に残っているところがありました
観光地を観光客として回った ベトナム そしてその後のサンボー シェムリアップ

そこで感じていた疑問や そこで感じた感動の根底にあるものを 
そこで見た気がします

ベトナムホイアンで訪れた 

屠殺場

































早朝4時
まだほの暗いホイアンで  市場の近くにあるその場所を
ホイアンに住む方々と訪れる機会がありました

東南アジアだけでなく   世界各地で「市場」はその土地特有の活気を見せる
東南アジアのそれは    少し独特の雰囲気を写しだしていて 

無造作に置かれた肉や食料が  まぶしいほどの色々を発していました
でも今問題視されてる衛生面

東南アジア各地で  市場が整備されつつあり その姿を失いかけています
そんなことから   ここへやってくることになりました


そして目にした屠殺の現場

































数分前まで生きていた その豚がさばかれている様子を
いつの間にか 「もの」 のように捉えていました

始めに抱いた感情が 徐々に薄れていくのを感じて

その感じが 今回観光地を旅していて抱いた疑問に
どこか似ているように思いました



もの を もの として見る
ひと を ひと として見る

そして

ひと を もの として見る事と
もの を ひと として見る事


観光地をうずまく循環に感じた 寂しさも 嬉しさも
世界遺産の佇みに感じた    落胆も  感動も

すべてはそこにあったような気がします

そこに住む人の目が 観光客を
観光客の目が    そこに住む人々を

そこに住む人の目が 遺産を
観光客の目が    遺産を

それぞれが     それぞれを    どう捉えているのか

それぞれの捉え方が そこに流れを作りだし
そのまちや自然が持つ流れと  あわさっていく

人が生き続けることで 作りあげられる景観が
その流れを映し出してくれている気がします

何かを「美しい」と感じることができるのは 
ひとだけだと 聞いたことがあります

美しいと
そう感じることができるならば 
そう思ったものが消えてしまうことに寂しさを感じることも また必然であるかのように思います

今回目の当たりにした 観光が持つ大きな力
一方でその力は多くの人に影響をあたえることができるもので
その力がいい方向に向かえばと

今回学んだことは これからのサンボーでの活動に何かのきっかけを与えてくれたと思います


そして今回は各地で本当に色々なひとたちにお世話になりました
フエで働かれている 川村さん  フエ大学の学生さんたちや
ホイアンで働かれている 中村さん 比留川さん 始め多くの方々
各都市のゲストハウスのスタッフの方や
トレッキングツアーで一緒になった方々

何よりも 帰りの50時間もの帰路に
水と食パン一斤だけを片手に挑もうとしたぼくを見て

たくさんのご飯を買って来てくれた 寝台列車の車掌さんや同室の方々































この場を借りて

ありがとうございました







Sambor Prei Kuk,,, everything run slowly in the ancient time.































ベトナムでの旅を終えて 帰って来たのは 
やっぱりサンボーでした

カンボジア コンポントム州
その街から 左右に広がる田園風景を眺めながら およそ1時間

「森の祠堂」  と呼ばれるサンボー・プレイ・クック遺跡群が
長い眠りから目覚めた姿が  そこにはありました


森のなかに蒼然と佇む サンボー・プレイ・クック遺跡群
アンコール遺跡群とは少し様相を異にし 
両者を目前に佇めば たちまちその時代の移り変わりを肌で感じることができて

そこでは森 祠堂 さらにはその周りに住む人々の生活が一体となり
過去の記憶と共に ひと味違った雰囲気を作り上げていました














































今回のベトナムへの旅では 色んな観光地を眺めて
本当に多くを学ぶことができました

だから その感覚のまま サンボーを見てみたいと思って
こうしてサンボーへと帰ってきて

そしてサンボーで感じた 森が 祠堂が 人々が織りなす  「調和」
その流れをせき止めるものは まだそこには見えなかったように思います

彼らは依然 古代の空気感の中に生きていると
 


































その昔よりも 少しは明るくしてくれているであろう ライトの光を囲んでの夕飯
































そしてその光の下で  籠を編む






























この場所にいると 雨が とても心地好く感じます
日本にいる時は少し煩わしく感じていた その雨も
ここでの生活の流れに      とけ込んでいて

雨が降る そして屋根からつたってくるその雨を 深鉢へと溜め込み
雨が依然として降るなかで その水を浴びる

雨がやみ 水浴びしながら向こうに見えるのは虹











































「目に涙なければ 魂に虹は見えない」 そんな諺がどこかの国にあって
感動すること 喜ぶこと 悲しむこと
無機質なものの空虚さを それは物語っているように感じます

多くの文化遺産にも それに感情が共存することができたら
多くの共感が得られるのだと思います

圧倒的な自然 木々に精霊を見いだし それに怯えながらも敬う



この場所も 近いうちに 世界遺産登録される予定で
ベトナムで痛感した観光地という力に この場所がどんな変化を強いられていくのか

そしてその変化が同一方向に向かわないようにと そう願うばかりです











2011年6月15日水曜日

SAPA,, end of a journey.































今回の旅の目的地 サパ
ホアンリエンソン山脈中 海抜1560mの山間部に位置するそこは
50数あまりの民族を抱えるベトナム 
そのいくつかの少数民族が暮らし続けている場所でした

「魚は水に泳ぎ  鳥は空を飛び  我らは山に生きる」  広く伝わるモン族の言葉

遂に辿り着いた秘境 でもそんなイメージとは裏腹に
その地が誇る山々に 多くのホテルやゲストハウスが乱立する
そんな場所でした













































所狭しと走る観光客を乗せたバスや 大型トラック
その間を編んだ籠を背負い どことなく肩身を狭くしてかいくぐっていく
伝統衣装に身を包んだ人々

彼らが籠で運んでいたものは その多くがお土産物であった気がします
赤い布を頭に巻いたザオ族の女性が お店の前に集まる人々を見つめながら通り過ぎようとしていて






























持っていた6年前の地図の その何倍にも広がった街を見て
驚きを隠せずにはいられませんでした

どこの国かと身違うほどに観光客があふれ
そして   お土産を売る少数民族の人々

日本のクリスマスでよく見かける サンタのコスチュームに身を包んだ
コンビニやケーキ屋の店員さん

なんだかそれを見る感覚に似ているなと そう感じてしまいました
少し落胆したまま 次の日に参加する一泊二日のホームステイトレッキングツアー
それに備えて早めの就寝をとりました

次の日も起きると そこには雲海の上に浮かぶ昨日と変わらぬ街がありました
色々なツアーがあるなかで 実際にモン族の人がガイドをしてくれるものを選び

そしてそこに現れたのは 17歳のモン族の少女 クゥ でした
参加したメンバーは5人で  
サパの南 モン族が暮らすラオチャイ村へと その歩みを向けます

案内人のクゥ以外にも おばちゃんから子供まで ザオ族の人々がいつの間にかそのメンバーとなり  ともにラオチャイへと














































そして

歩いてさほど経たないうちに 目の前に見えてきた まさに絶景
今まで見ていた世界が離れていき 彼らがそこに 「導いてくれた」 ようでした
































驚いたのはそれだけではなく クゥを始め 彼らから聞こえてくるその英語にも
全員が惹きつけられていました

彼らはその英語を全て 「観光」 から学んでいて

出会う子供たちの多くが少し照れながらも 英語で声をかけてきてくれていました
休憩所で出会う人々もそう

そんな彼らは土産物を売りながらも  どこか 楽しそうで











































ラオチャイを過ぎ タヴァン村でのホームステイの家に着きました
そこは村というよりも 町に見える場所で

ホームステイというツアーによって生活スタイルが変わり始めた場所でもありました

民族学博物館で見られたようなものは 見かけることも少なく
博物館が博物館である所以を 少し痛感して

でも台所のそれは やっぱり「アジア」でした






























家々の目下に流れる川
その水は広がる雲が降らせたもので 山々から運ばれてきます
その場所からは 水がそうして姿を変えていく様を 一度に見ることができて

降った雨のうち 川に流れる水の量は世界平均で その30%らしく
川が流れるということで そこを流れる水はきれいにされていく

はずでした

「この水は山からサパを通って流れてきている  あそこにはホテルがたくさんあるから
この水はもうきれいではない」とクゥは笑いながらもそう言っていて

人が作り上げる歪みを そこの自然は顕著に現していました

次の日もトレッキングは続いて 
次々と襲ってくる 雨でぬかるんだ難所では

いつの間にかモン族の人々がその手を差し伸べてくれていました























































































そんな彼らはやっぱり最後に 土産物を売ってくるのだけれども
その値段は法外で    

でも誰も買おうとしなくても
それでもやっぱり彼らは どこか 楽しそうでした

純粋に また彼らに会いに来たい そう思えたことが
そう思わせてくれたことが    本当にすごいことだと思いました

彼らのなかに見える 自然と
それを包み込む   自然を

今でもはっきりと覚えています













































サパの各地では 岩に刻まれた 彫刻が今も残るそうです
この地の古人たちが そこに聖地を見つけて 形として残したものだと思います










































精霊信仰 アニミズム
昔は日本でも見られたこの感覚を 今感じることは少し難しい

目に見えないものを感じて そして それを信じる
日本に溢れる物々は 満足することを知らないものばかりで

自分がおじいちゃんになった時 その時は何を信じて生きているのかと
少し不安になりながらも  こういう地に住む人々に会えたことを
本当に嬉しく思えた































そんな旅でした